蔵人は今

“2022年07月” 月間アーカイブ の記事

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  • みりんの上槽をしています

    酒蔵はいま

    夏の酒蔵の仕事のひとつが「みりん」の上槽です。
    みりんのモロミは3月末に米麹、蒸したもち米、アルコールをタンクに加えて仕込んでいます。

    搾るまで約4か月間じっくり時間をかけて糖化させ、木ふねで搾ります。仕込みから搾りまで手作業で行っています。

    搾った後は滓を沈殿させ、綺麗な上澄みをタンクに貯蔵し1年以上熟成させます。

    しっかり熟成させることで、糖分やアミノ酸など様々な成分が複雑に反応して味や香りがまろやかに、そして美しい琥珀色になります。

     

    本みりん「七宝」の歴史

    日本でのみりんの起源は諸説あるようですが、江戸時代には料理に使われていたようです。

     

    しかし、みりんが現在のような風味になり、また一般家庭に普及し始めたのは第2次世界大戦後と言われています。

     

    明治29年(約125年前)に米田金五郎が創業した米田酒造では、明治42年にはみりんの製造免許を取得しています。

     

    当初は「寶(タカラ)」味醂と名乗っていたようです。

     

    大正3年(約110年前)の雑誌には「(米田金五郎)氏の『寶』味醂もまた良品である」と書かれおり、当時から高品質のみりんを造っていたことが伺えます。

     

    大正6年に「七寶(シッポー)」の商標を取得し現在に至ります。(「七宝」と表記する場合が多いです)

     

    令和元年現在、全国に95者しかない「みりん製造者」のなか、米田酒造は松江で100年以上、伝統的製法でみりんを造り続けています。これからも地域の食に欠かせないものと使っていただけるよう精進してまいります。

     

    商品詳細はこちらです

    本みりん 七宝

    本みりん 七宝(酒粕取焼酎仕込)

    本みりん 七宝きらり(米焼酎仕込)

     

     

    参考

  • 島根県の酒器~袖師窯~

    雲州松江の風景

    営業の河角です。清酒と共に楽しまれる酒器。米田酒造のある松江市にも素敵な窯元が多数あります。松江市の「袖師窯」の酒器を紹介します。

    明治10年から開窯して145年続く「袖師窯」。

    地元の陶土、原料にこだわった陶器を造り続けています。

    強くて生活に馴染む「暮らしの器」が特徴の袖師窯。作業風景の様子。

    「酒器」も素敵な色合いで心癒されました。

     

     

    松江市の「袖師窯」へお立ち寄りください。素敵な酒器を手に取り、好きな清酒を思い浮かべる。そんなひと時は本当に心を豊かにしてくれました。地酒とその土地の酒器でより深い味わいになるのではないでしょうか。

  • 地伝酒の上槽

    酒蔵はいま

    前回、地伝酒のモロミに木灰を入れから数日後、上槽です。

    地伝酒の灰入れ

     

    地伝酒は清酒と同じように「木ふね」で手作業でしぼります。(写真は過去の作業時のものです)

    この後も清酒と同じように、滓を沈殿させ、ろ過をしたりして精製します。この時にモロミに入れた木灰は取り除かれ製品に残りません。

     

    さて、しぼったばかりの地伝酒と、しぼってから1年以上熟成され現在市販している地伝酒を並べてみました。左がしぼりたて、右が市販のものです。

    しぼったばかりでも、アミノ酸と糖分の多さからすでにみりんのような色合いです。製品化による加熱処理や熟成によってアミノ酸と糖分が反応して右のように赤味を帯びます。これは、味噌や醤油が褐色になるのと同じ仕組みです。地伝酒は木灰によってアルカリ性になっているため、より赤味を帯びやすくなっています。また赤味を帯びるにしたがって、コクや香りも増していきます。

     

  • 古代ロマンの蓮の花

    雲州松江の風景

    営業の河角です。先日出雲市斐川町の荒神谷遺跡の蓮の花が見ごろということで行ってきました。

    昭和58年にこの荒神谷遺跡で一度に358本の古墳時代の銅剣が見つかりました。その当時は大変な騒ぎだったそうです。

    その荒神谷遺跡に咲く「古代ハス」が50,000本開花する人気スポットとなっています。(写真は6月25日でまだ花が少なかったです。)

    この「古代ハス」は約2000年前の地層から出土した種を発芽させた奇跡の花と言われています。

    花びらの散った花たくの表面が蜂巣(はちす)に似ているためハチス→ハスと呼ばれるようになったそうです。

    毎年行われる荒神谷ハスまつりではハスの葉でお茶やジュースを飲む象鼻盃席(ぞうびはいせき)が人気です。ストロー代わりになるハスの葉で一度はやってみたいです。今年はハスまつりは行われなかったみたいです。

    鮮やかな色の古代ハス。昔の先人もこのハスを見て心豊かに思いをはせていたのかもしれません。