蔵人は今

“11月” 月間アーカイブ の記事

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  • そろそろ漬物用酒粕の出荷

    酒蔵はいま

    6月に入ると漬物用の酒粕を出すようになります。

     

    この酒粕は、昨年の11月から今年の4月にかけて造った酒(新酒)の酒粕です。

     

    酒粕は、しぼった直後から出荷するものと漬物用に熟成させてから出荷するものに分かれます。
    どっちも、もとはこのようにしてできた同じ酒粕です。

     

    漬物用に熟成させてから出荷するものは「踏込み粕」(ふみこみがす)と呼びます。

     

    しぼった直後の酒粕を空のタンクにためていき、人の足で空気を抜くように踏みしめて密閉・貯蔵します。なので「踏込み粕」といいます。
    その間に熟成が進んでしだいに柔らかくなり、赤味を帯びて、カラメルやナッツ、たくあん漬けのような香りが強くなります。

     

    この酒粕も、酒と同じように毎年同じようにいかず、「今年は柔らかい(硬い)ね」「色が付いてるね」「硬い粒があるね」という声をいただきます。

    毎年のお米が柔らかかったり硬かったりするので、それに合わせてお米が溶けにくいように、あるいは溶けやすいように酒の造り方を調整しています。また気温によっても熟成の進み方が違ってくるので、なんか去年と違うんだけど、ということも起こります。

     

    酒粕も自然に左右されるものと思ってみていただけると幸いです。

    米田酒造オンラインショップ
    「酒粕 (踏込み粕) 4kg」
    https://shop.toyonoaki.com/?pid=35966743

     

     

  • 夏の仕込み蔵

    酒蔵はいま

    蔵では火当てもすべて終わり、いつもなら6月の梅酒の仕込みまで束の間の落ち着いた時間を過ごします。

     

    蔵の中を横断していた蒸米搬送用ダクトなどの仕込み用の設備を解体し、一斉に洗浄を掛けたりして仕込み蔵は夏仕様に変わります。

     

     

    仕込み期間中は蒸米を広げて冷ますために使っていた場所です。

    夏のあいだ使わない酒造道具がなんやかやと集まってきます。

    ここは2階ですが、中には大きくて重いものもここに持ってくることもあります。

    かつては床板を外して、「アミダ」(阿弥陀車)という滑車的な道具を使って吊って上げ下げしていました。

    2枚目の写真左上にそれがありますが、車輪と車軸からできる形が阿弥陀如来の後光のように見えることから「アミダ」(阿弥陀車)と呼んでいるようです。

     

     

  • 島根アジサイフェアに行ってきました。

    雲州松江の風景

    ↑上の写真は2012年に日本フラワーオブザイヤーの最優秀賞の「万華鏡」(まんげきょう)

    営業の河角です。出雲市の「しまね花の郷」でアジサイフェア2022が行われ沢山のアジサイが鑑賞できます。島根県のアジサイは数多く受賞しており日本中に出荷されている人気の産地でもあります。園長さんにも今回島根のアジサイの紹介を快諾していただきまして本当にありがとうございます。

    ↑2013年ベスト・フラワー優秀賞とジャパンデザイン特別賞受賞した「美雲」(みくも)

    湧き立つ雲のような八重咲のアジサイです。

    ↑2016年日本フラワー・オブ・イヤー2016最優秀賞受賞の「銀河」(ぎんが)

    夜空の星々のように咲くアジサイです。

    ↑ジャパンフラワーセレクション2019-2020鉢物部門入賞の「茜雲」(あかねぐも)

    夕焼けの雲の色のてまり咲きアジサイです。

    ↑2021年に発表された「星集め」(ほしあつめ)

    小さな花が星々のように集まり咲く可愛らしいアジサイです。

    他にも沢山のアジサイが豊かな色彩で楽しませてくれます♪5月15日までの開催です。

  • 「雲南市三刀屋町の御衣黄」

    雲州松江の風景

    ※蔵開きの会場の様子は4/15の記事になります。

     

    営業の河角です。春のソメイヨシノも散り、花見も終わりかと思いきや雲南市の三刀屋町には緑色の桜「御衣黄」が咲きます。美しい花の色をお楽しみ下さい。

    花見客の方がたくさん御衣黄を楽しんでいました。

    残念ながら4月の終わりには葉桜になってしまうので5月になると見れないので見たい方は来年お楽しみください。

    実は豊の秋にも緑の桜があります。その名前は「鬱金桜」(ウコンザクラ)です。

    「御衣黄」の仲間で緑色からピンクに変わり花がぼてっと落ちます。花柄の掃除が大変ですがその美しさも春に一度の贅沢ですね。

  • 火当てしてます

    酒蔵はいま

    蔵では火当ての作業が続いています。今年度搾った新酒を安全に貯蔵するためにとても重要な作業です。

     

     

    これは「蛇管」(じゃかん)という器具です。

    これを熱湯で満たした容器に沈めて、この蛇管の中に酒を通して加熱します。

     

     

    酒の加熱温度を67度をキープするように、長いときは3時間付きっ切りで監視します。

     

    蛇管から出てきた加熱されたお酒は殺菌されたタンクに送り込まれます。このとき蔵の中はお燗酒の匂いが充満します。

     

    タンクいっぱいまでお酒が入ったら密封して、タンクに水をかけて冷却します。

     

    このように加熱処理されたお酒は静かに熟成が進みます。

    これらの中から、夏を越した秋口に「ひやおろし」として商品化されるお酒があります。

  • R3BY 皆造とみりん仕込み

    酒蔵はいま

    4月8日、今年度すべての清酒のモロミを搾り終え、皆造となりました。

     

    今年はいつも使っている島根県産の五百万石が予想外に柔らかい年でした。米の柔らかい年は味が多すぎたり重い酒になりがちなので、吸水や追い水に苦労した年でした。

     

    またこの日は、みりんの仕込みを終え、甑倒しにもなりました。

     

    みりんは、米こうじと蒸したもち米をアルコールと混ぜることで造ります。

     

    まずタンクに溜めたアルコール(醸造アルコールや酒粕取焼酎)は外気温と同じぐらいの温度になっています。

    ここに米こうじと蒸したもち米(もち)を混ぜ込んでいき、仕込み直後の温度が45℃になることを目標にします。そのため、もちはかなりアツアツでなければなりません。地伝酒のようにダクトを使わず、人力でアツアツのもちを運ぶのでなかなかの大仕事です。

     

     

    この後も、ろ過や火入れ、蔵の片づけなどすることいっぱいですが、まずはほっと一息です。

     

     

  • 賑わいの蔵開き~2019年の蔵開きの様子~

    雲州松江の風景

    毎年行われている蔵開きがコロナ禍により、今年も中止となりました。このイベントを毎年楽しみにしているお客様のお声をいただいていますが弊社としても苦渋の決断となりました。来年こそはできるようになりたいと考えています。コロナ前の2019年に開かれた蔵開きの様子をご覧ください。

    搾りたての新酒など沢山のお酒を用意し、来ていただいたお客様は試飲ができます。

    当蔵の上濱杜氏がお酒の説明などをお客様としながら楽しんでいただけます。

    振る舞い酒をご用意してたくさんのお客様が楽しんでいます。豊の秋の良い香りが辺りを包んでいました。

    販売も行っています。この時だけの限定酒など蔵開きは大盛況の毎年賑わいを見せています。

    他の販売ブースもあり、お酒が飲めなくても楽しく過ごすことができます。

    当蔵の粕汁も振る舞いました。美味しく暖かい味に心もほっこりです♪

    飲食ができるブースもあり、楽しく会話しながら楽しいひと時を過ごせます。

    蔵の中の設備など豊の秋の造りの説明も聞けて、より豊の秋を深く知り味わうことで蔵の思いや熱量を感じていただけます。

    落語も開催し、蔵の中は笑いで包まれていました。残念ながら2022年の開催は中止となりましたが来年こそは皆様と喜びを分かち合える蔵開きができるようにしたいと思っています。

     

  • R3BYの終盤、地伝酒を仕込んでいます

    酒蔵はいま

    11月から始まったR3BYの酒造も残すとこ半月(の予定)となりました。

     

    清酒の仕込みは終わり、ただいま発酵中で、搾りを待ちます。

     

    清酒の仕込みの次は、地伝酒の仕込みです。

     

    地伝酒も清酒と同じように酒母を造り、三段仕込みをします。大きく違うのは、米こうじが清酒の2倍、掛米がもち米、仕込水が清酒の約半分という大変濃厚な造りをするところです。

     

    少ない仕込水の中で蒸したもち米と米こうじを均質に混ぜるのは難しいので、米こうじを蒸したもち米にまぶしながらタンクに送り出します。

     

     

    蒸したもち米は、蒸し場から仕込みタンクまでの約40メートルを送風機による風の力でダクトホースの中を運ばれていきます。

     

    その日はある程度高めの温度で仕込む必要があったので、ややモチモチの状態で作業を進めていましたら、ホースの中で”もち”が詰まるトラブルに見舞われてしまいました。

     

    そんな感じで仕込んだ地伝酒は、これから約3ヶ月間じっくり発酵させてから搾ります。(清酒は3週間程度)

  • 「春の訪れ~大東町 河津桜」

    雲州松江の風景

    春が遂にやってきました。営業の河角です。雲南市大東町では河津桜が見頃を迎えています。全長約1キロの桜並木で、ソメイヨシノより開花の早い河津桜が春の知らせを告げています。

    河津桜は静岡県で発見された品種でピンク色がここまで鮮やかな桜は珍しいのだそうです。

    桜を楽しんでいる方がたくさんいました。

    春の陽気とマッチしてとても気持ちが良かったです。

    ようやく寒い冬が終わり春が来ました。春の新緑や桜の鮮やかさは気持ちをリフレッシュさせてくれます。市内のソメイヨシノも蕾が大きくなっています。その模様も次回紹介したいと思っています。皆様も春をお楽しみ下さい。

  • 酒造りにゆかりのある神社~佐香神社~

    雲州松江の風景

    春も近づきを感じる今日この頃、皆様いかかがお過ごしでしょうか?営業の河角です。出雲には「酒造りの神様」として酒造業者から信仰を集めている「佐香(さか)神社」(別名 松尾神社)があります。「出雲風土記」に「百八十神集ひ坐して、御厨を立て給ひて、酒を醸さしめ給ひき。中略、故、佐香といふ」と記されており酒造りの発祥の地とされています。室町時代から続く秋季例祭が行われ、年1石(180リットル)の酒造が許可されており、濁酒(どぶろく)を参拝客に振る舞う濁酒祭が有名です。

    出雲の地に佇む雰囲気は物静かで風で木々が揺れる景色はとても印象的でした。

     

    酒造りの神様だと一目でわかります。

    石段を登って行きます。横には神社まで登れる道路があるので足腰の弱い方でも安心していけます。

    階段の途中では椿が咲いていました。ちなみに椿は茶花とも呼ばれ茶の湯文化が盛んな松江市の市花にされています。

    狛犬です。島根県は来待石(きまちいし)という松江藩主が松江城など至るところにに使っていた石材があります。この狛犬も来待石で出来ています。

    こちらが佐香神社の拝殿です。

    佐香神社の神紋です。

    こちらが本殿です。ここで神様が集まりなんと180日間、宴会を続けるそうです。私もそんな集まりがあるのであれば是非参加したいものです(笑)

    ゆっくりと佐香神社で時間を過ごし、帰路につきました。雰囲気は個人的に1番好きな神社でした。是非出雲の酒造りの神社「佐香神社」お立ち寄りください。

    島根県で開発された酒造好適米「佐香錦」は「佐香神社」から名とった由緒ある酒米です。この佐香錦を使用した豊の秋の清酒があります。酒造りの神様がいる出雲の佐香神社に想いにふけながら島根の味、佐香錦を味わう最高のひと時をお楽しみください。オンラインショップにて購入できます。是非ご覧ください。