蔵人は今

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  • R3BY 酒造も佳境

    酒蔵はいま

    令和3酒造年度の酒造りも残すところわずかとなりました。ついこの前、初洗いだ、とか、初甑だ、とか言っていたのに今年最後の作業が増えてきました。

    そんな3月上旬は、純米辛口金五郎や、今年は超辛口となる夏の生酒の仕込みなどで忙殺されていました。

     

    夏の生酒や純米辛口金五郎は一本の仕込みで白米1500kgを使います。そしてすべて限定吸水します。この作業には3人の蔵人で延べ6時間を費やします。限定吸水ではない方法で同じ量を洗う場合、1人で延べ2時間半で終わるので、これは相当な労力です。

     

    10kgずつ、延べ150袋に分けた米を2分後ごとに洗米機に投入します。

    2分後、洗米機から出した米を一定の温度の水に漬けます。品種や精米歩合、用途によって水につける時間が異なります。水から引き上げたらすぐに脱水して目標の吸水率になったか計量します。目標の吸水率になるまで、秒単位で水につける時間を修正していきます。

     

    豊の秋の辛口は、辛口のわりに味わいも濃いめと言われます。そもそも出雲杜氏の造る酒は全国的に麹の使用割合が多いため濃いめのようです。その中でも豊の秋はさらに麹の使用割合が多いため、独特の辛口のあじわいが生まれるようです。

     

    がっつり造った麹の味わいを活かしつつ、なるべく水の量を控えてしっかり発酵させて濃いめの辛口を造るには、蒸米が溶け過ぎないように吸水を厳密にする必要があります。そのため、大変でも限定吸水という方法を選ぶのです。

     

  • R3BY 大吟醸 袋吊り

    酒蔵はいま

    2月中旬ごろになると、全国の酒蔵のSNSなどで「袋吊りしました!」という記事がたくさん流れるようになります。

    豊の秋でも同じころ大吟醸の袋吊りをしました。

     

    酒袋を吊るすことで、重力だけでモロミから酒を滴り落とします。余計な圧力がかからないので雑味が少なくなります。その分、そこから取れる酒の量は搾り機で搾るよりとても少量になります。

    滴る酒は、時間差で斗瓶に取り分けます。斗瓶ごとに滓の量がことなるので香りや味わいも微妙に違います。

     

    さらにその後は速やかに滓引きをし、瓶火入れをして酒質を安定させ、品評会に備えます。そもそものモロミの質もですが、搾った後の処理の腕も品質を左右します。

     

    全国の杜氏はこのようにして造った酒で品評会などで腕比べをしています。

     

     

  • 島根県の冬景色~雲南市吉田町~

    雲州松江の風景

    営業の河角です。松江では晴れの日が多くなり、最高気温が10度を超えてくる日が増えてきました。日照時間も日に日に長くなり春の訪れもすぐそばまで来ています。自分の好きな冬景色を春の景色の前に紹介します。

    島根県雲南市吉田町は四季折々の自然の美しさを感じれる素晴らしい町です。雪の降雪量が多く冬景色もまた素敵な風景を見れます。2月の終わりの吉田町の様子です。雪がしんしんと降り、雪の足音と吐く息の白さ、静けさの雰囲気が大好きです。

    木々には雪が降り積り山を白く染めていました。

    歩道には雪がこんなにたくさんあります。

    除雪車が綺麗に道路の雪をかいてくれていました。安全に道路を走行できるのもこういった方々のおかげと感謝です。

    吉田町は昔から「たたら製鉄」の盛んな町でした。製鉄のモニュメントも雪をかぶっていました。

    納品先の駐車場の様子。これでも今年は少ない方で、多いときはメートルの雪が積もります。

    雪も降りやみ青空が少しずつ見えてきました。

    標高も高いので雲が目線の高さで空の色も澄みきった綺麗な青でした。綺麗な風景を見るたびに島根の素晴らしさを感じます。

    江に戻り空を見上げると綺麗な虹がかかっていました。いよいよ春がすぐそこまできています。いろんなことが世の中で起きていますが自然の美しさを感じることができる事、それが何より幸せなことではないかと考えさせられる今日この頃です。

  • 春のはじまりの縁起酒「立春朝搾り」

    雲州松江の風景

    2月に入り寒い日が続いています。皆様お元気でしょうか。営業の河角です。2月4日(金)に「立春朝搾り」が行われました。立春の日の朝に搾った縁起酒として毎年ご好評いただいています。

    4日の真夜中から、作業が行われました。毎年2月4日は雪の日が多いのですが今年は雪も降らずに穏やかな天気でした。

    瓶詰めの作業が始まり、スタッフも気を引き締めて作業を開始。この日までにスケジュールを時間ごとの打ち合わなど事前に準備をしています。今年も安全に作業を行うことができました。

    出来上がった「立春朝搾り」を箱に詰める作業を終えると外はすっかり日が出ていました。お客様に無事にお越しいただきお渡しするまで駐車場や搬入口への誘導などまだまだ気が抜けません。

    メディアの関係者の方々も続々と取材に来られました。

    目視による検視の様子を撮影している様子。

    蔵元が取材を受けている様子。

    そして神棚もセッティングし、いよいよ神主さんにお祓いをしていただく用意も完了です。

    松江市西茶町の須衛都久神社(すえつぐじんじゃ)の神主さんに今年もお祓いと「無病息災」「家内安全」「商売繁盛」を祈願していただきました。

    左から蔵元(米田則雄)杜氏(上濱智信)工場長(江角隆)が代表で玉串の奉納をしました。

    そしていよいよ取引先のお客様にスムーズに積込みが行えるよう最終チェックを行います。お越しいただくお客様には事前にお越しいただくタイムスケジュールをお渡ししています。

    そしてお客様に積み込みを行いました。今年も無事安全に行うこととができました。そしてたくさんのお客様からたくさんの反響いただきました。コロナ禍でより「縁起酒」の立春朝搾りを家庭で楽しまれたり、毎年このお酒を飲まないと1年が始まらないという声など例年以上にお求めいただきました。来年はマスクのない世の中を祈りつつ皆様にお届けできるようにしたいものです。

  • 仕込後のモロミの変化

    酒蔵はいま

    仕込んでから1日後の様子です。水を吸った蒸米と麹がパンパンに膨らんでいます。

     

    上の状態から丸ー日後。酵母の発酵によって発生した炭酸ガスが、蒸米の割れ目から吹き出し始めました。

    まさにブクブク、グツグツと音を立てて泡立ちます。

    さらに丸一日後(仕込んでから3日後)。細かい泡で全面が覆われ、さわさわさわーっという音が聞こえてきます。これぐらいになると発酵による熱によってモロミの温度は仕込み直後から5~6度上昇しています。

    さらに丸一日後。泡はゆるくなって消え、表面はもう液体といった様子になります。炭酸ガスが弾けるピチピチシュワワワワーーーーーーーーという音が賑やかです。

    モロミはいつまで眺めていても飽きません。

  • 酒蔵の湯気は松江の冬の風物詩

    酒蔵はいま

    毎年11月から4月までほぼ毎朝8時から9時ごろまで酒造りのための米を蒸しています。

     

    その湯気が立ち上るのが遠目にもわかるのではないかと思います。

     

    松江日赤病院の病棟から見た朝の酒蔵です。ちなみに画面奥の山は嵩山(だけさん)と和久羅山(わくらさん)で、仏様が仰向けに寝ている姿に例えられます。

     

     

    そのころ中の人は、仕込みの準備に追われているので、客観的にその光景を見ることがありません。

    煙突の先端じゃないところから煙のようなものが昇っているのでびっくりする人もいるでしょう。煙突はかつて石炭などを燃やして窯の沸かしていた時の名残りで、今は使われていません。

    じつは昨年に続き今年も消防署に「火事だ!」と通報があり酒蔵がサイレンに取り囲まれました。

     

  • 堀尾吉晴公が結ぶ「ご縁」

    雲州松江の風景

    営業の河角です。松江市と姉妹都市提携を結んでいる愛知県大口町から「おおぐち観鋭(かんえつ)桜」の苗木をいただき当蔵に植樹をしました。愛知県大口町は松江城を築城した堀尾吉晴の生誕地です。平成27年から今日まで交流を続けています。

    人口約25000人の大口町は六条大麦や桜酵母を使った特産品が数多くあり桜酵母を使用した清酒もあります。

     

    堀尾吉晴のご縁でこれまでに多くの交流をしている両市町。2020年にはコロナ禍により大口中学校は修学旅行先を東京から「堀尾吉晴公ゆかりの地」の松江市に変更。その一貫で松江市大垣町にあるフォーゲルパークで桜の苗木を植樹をしてくれました。

     

     

    松江市にはたくさんの桜がありますが寿命が約80年とされており、その多くが寿命を迎えるようです。そこで大口町の「おおぐち観鋭桜」を植える取り組みが松江市で行われています。

     

     

    ↑「おおぐち観鋭桜」

     

     

    当蔵の道路に面した敷地内に蔵元の手により植樹しました。この桜の苗が大きくなり綺麗な花を咲かせる頃にはコロナ禍も収まり、みんなが集まり楽しく桜の景色を楽しめることを心待ちにしています!

     

     

     

     

    「豊の秋 純米吟醸 堀尾吉晴 720ml」

     

    当蔵では「銀河鉄道999」などの漫画家の松本零士氏の描いた堀尾吉晴デザインラベルの純米吟醸酒を販売しています。穏やかな香りにスッキリとした食中向きの味わいです。松江市と大口町の架け橋となった堀尾吉晴に素敵なご縁をこれからも大切にしていきたいものです。

  • 立春朝搾り2022を仕込みました

    酒蔵はいま

    2022年1月13日、「立春朝搾り」のモロミを仕込みました。

    立春朝搾りは、2月4日の夜も明けない早朝に搾って瓶詰めし、その日のうちに加盟酒販店さんがお客様にお届けするという予約販売制のお酒です。

     

    モロミが順調に発酵すれば、仕込んでから搾るまでの期間はだいたい一定になるのですが、それでも決まった期日に仕上げるっていうのは神経を使います。

     

    モロミを順調に発酵させるには、お米(蒸米)の溶け具合をコントロールしなければなりません。

     

    お米が溶けなければ味わいが生まれませんし、溶けすぎても思うような良い酒になりません。

     

    豊の秋の吟醸仕込では、朝に蒸したお米を半日程度さらします。こうすることで再び硬くなり、ゆるやかに溶けるようになります。
    お弁当のご飯は冷めても柔らかいのが良いですが、お酒にする蒸米は硬くてパラパラとするようなのが良いですねえ。

     

     

    仕込むまでの間に混ぜ返して水分のムラをなくします。この時の蒸米の温度は6度でした。手も真っ赤になります。

     

    そうこうして夕方になるころにようやくタンクに仕込みます。

     

    「豊の秋 立春朝搾り」を買えるお店をこちらのページで紹介しています。
    https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=1657

  • いい眺めの日の風景

    雲州松江の風景

    営業の河角です。晴れて雲の少ない時にしか見れないお隣の鳥取県の大山を松江でも見ることが出来ます。

    ↑出雲杜氏の里、松江市秋鹿町にある道の駅「なぎさ公園」で撮った1枚。

     

    ↑松江市浜佐陀町からの風景。

    ↑蔵の近く、松江大橋から見える大山。

     

    松江から大山が見えた日は何かいいことが起こるような気がします。松江のラッキーな風景です。

     

    ※追記

    正月に食べた雑煮です。自分の家では海苔を入れた醤油とダシで作る海苔雑煮です。元旦は小豆雑煮でしたが食べる事に夢中で撮るの忘れてました(笑)

    来年は紹介できるよう頑張ります。

     

    (matsue20220115)

  • 新年明けましておめでとうございます!

    雲州松江の風景

    皆様新年明けましておめでとうございます!営業の河角です。

    12月下旬、島根県に寒波が来て松江市も5㎝の積雪となりました。蔵の屋根にうっすらと雪が。

    松江市内の様子

    松江城も雪化粧しました

    堀川も雪の風情を感じられます

    そして令和4年2月4日に毎年皆様にご好評の立春朝搾りを出荷します。「立春の日」の朝に搾り、その日のうちに出荷する縁起酒です。上の写真は取引先の酒屋さんが最後に帯ラベルを貼っていただいての出荷となります(上の写真は2019年)コロナウイルスの感染拡大予防のため2年前から完成品をお渡しています。2022年もそのようにして出荷を予定しております。

     

    松江市西茶町の須衛都久神社(すえつぐじんじゃ)の神主さんに、お祓いと、すべての人の「無病息災」「家内安全」「商売繁盛」を祈願をしていただきます。

    上の写真は2020年に蔵で出荷前のお祓い、祈願の様子です。メディア等で取材、撮影が行われました。皆様も新年、良い1年となるように縁起酒の「立春朝搾り」をぜひお求めください。

    2022年も豊の秋をよろしくお願いします!

    ※追記

    12月28日の雲南市吉田町の様子です。積雪は58cmを記録しました。取引先の酒屋さんに配達の時に撮影しました。豊の秋を待っているお客様に喜んでいただけるよう今日も島根県内を走り回っています!

    (matsue20220101)